飲食店開業時に欠かせない!消防法に基づく手続きと設備のポイント
飲食店の開業は夢が広がる挑戦ですが、それと同時に「安全対策」という重要な課題も伴います。消防法に基づく手続きや設備の整備は、スタッフやお客様の命を守るだけでなく、信頼される店舗運営の基盤となります。本記事では、必要な手続きや設備について分かりやすく解説します。
消防署への届出手続き
1. 防火対象物使用開始届出書
提出時期: 営業開始の7日前までこの届出は、「この建物を飲食店として使用します」という申請です。防火管理者選任解任届や消防計画、防炎規制なども併せて確認してください。
2. 消防用設備等設置届出書
提出時期: 消防用設備を設置後4日以内設置した消火器や警報設備について、「設置が完了しました」と消防署に報告します。
3. 火を使用する設備等の設置届
提出時期: 火を使用する設備を設置したとき厨房機器の合計熱量を計算し、一定量を超える場合に届出が必要です。例えば、ガスコンロやフライヤーなどの熱量を合算して判断します。なお、所轄の消防署によって運用が異なる場合があるため注意が必要です。
無窓階の注意点
無窓階では追加の規制が適用される場合があります。事前に消防署と相談し、必要な対応を確認しましょう。
飲食店に必要な消防設備
消防設備は、火災や煙のトラブルからお客様やスタッフを守る「安全の要」です。以下に、設置が必要な主な設備について説明します。
1. 消火設備
消火器具: 火を使用する店舗では必須です。建物の面積が150㎡以上の場合、火を使わない店舗でも設置が必要です。
詳しくは日本消火器工業会のホームページを参考にして下さい。
屋内消火栓: 消火器では対応できない規模の火災に備える設備で、主に以下の条件で設置が必要です。
・店舗が1~3階の場合: 延べ面積700㎡以上
・地階や無窓階、4階以上の場合: 150㎡以上
700㎡以上に該当しなくとも、無窓階で150㎡を超えることで屋内消火栓設備が必要となります。
屋内消火栓設備を設置するとなると費用が大きくなりますので、計画段階で建具や店舗レイアウトを検討することが重要となります。
2. 警報設備
自動火災報知設備
火災発生を瞬時に知らせる設備です。延べ面積300㎡以上、または無窓階で100㎡以上の場合に設置が必要です。
非常警報設備: 火災時に建物内の人々に警報を知らせる設備で、収容人数が50人以上の場合に設置が義務付けられます。地階や無窓階では20人以上の場合設置が必要となります。
ガス漏れ火災警報設備
ガス漏れを検知して、建物内の人々に知らせる設備です。主に次の条件に該当する場合に設置が必要となります。
・延べ面積1000㎡以上の地下街
・延べ面積1000㎡以上の準地下街で不特定多数の人が出入りする施設の床面積の合計が500㎡以上のもの
漏電火災警報器
配線トラブルによる火災を防ぐ設備です。
漏電火災警報器は、ラスモルタルが使用されているかが重要となります。
「ラスモルタル」が使用されていて、延べ面積300平方メートル以上または契約電流容量が50Aを超える建物に設置義務があります。
3. 避難設備
誘導灯
停電時や緊急時に避難経路を示す設備で、不特定多数が利用する飲食店では設置が義務付けられています。誘導灯の数や種別は建物の規模によって変わります。
さらに押さえたいポイント
防火管理者の選任
収容人数30人以上の店舗には、防火管理者を選任し、消防署に届出をする必要があります。
防火管理者についてはこちらの過去の記事を参考にしてください
消防計画の作成
防火管理者が消防計画を作成し、管轄の消防署へ届出をする義務があります。
消防計画は、火災の予防や被害の軽減を目的とした防火管理業務の基本方針で、建物利用者全員が把握すべき計画書です。
消防計画についてはこちらの過去の記事を参考にして下さい
消防用設備点検
機器点検: 半年に1回
総合点検: 年に1回
点検結果は記録して保存し、1年に1回消防署に報告します。
カーテン・絨毯等の防炎規制
不特定多数の人が出入りする施設・建築物で使用されるカーテン、じゅうたんや、工事現場に掛けられている工事用シート、
劇場等で使用される舞台幕等も、「防炎物品」の使用を義務づけられています。
まとめ
安心のスタートは事前相談から!
飲食店の開業にあたって、消防法に基づく手続きや設備要件は店舗の構造や規模により異なります。開業前に管轄の消防署に相談し、必要な手続きや対応を早めに確認することが成功の鍵です。
さらに、信頼できる施工業者と連携することで、安全性に優れた店舗づくりが実現します。消防対策を万全に整えることは、お客様に「また来たい!」と思っていただける店舗運営の土台となります。安全対策をしっかりと行い、安心と信頼をお届けできるお店を目指しましょう。
花塚防災では、飲食店開業に必要な各種届出の作成から施工、検査立会いまでをワンストップで対応しています。「何をすれば良いかわからない」「消防署への手続きが不安」という方も、どうぞお気軽にご相談ください。
私たちの活動エリアは、那須町・那須塩原市・大田原市を中心に、矢板市・塩谷町・さくら市・高根沢町・那珂川町・那須烏山市にも対応しております。消防用設備や防火設備でお困りの際は、ぜひ花塚防災にお声がけください。安全で愛される店舗づくりを全力でサポートいたします!