マンションで安心して暮らすために
― 点検と消防設備の大切な話 ―
本記事では、マンションにおける安全性を確保するための点検と消防用設備の重要性について詳しく解説します。法定点検や消防設備の種類、点検を怠ることのリスク、住民ができることなどを取り上げ、安心して暮らすための知識を提供します。

【マンション点検の種類】

マンションの点検は大きく2つに分けられます。
● 法定点検
これは、建築基準法や消防法などの法律に基づいて、定期的に行われることが義務づけられている点検です。
● 任意点検
こちらは、管理組合などが自主的に行う点検で、必要に応じて実施されます。
この記事では、特に**すべてのマンションに関係する「法定点検」**について詳しくご紹介します。
【どんな法定点検があるの?】

マンションには、さまざまな法定点検が義務づけられています。以下の点検は必ず有資格者によって行われ、結果は所轄の消防署や自治体に報告されます。
◎ 「建物全体の安全チェック」
「特定建築物定期調査」では、外壁の劣化や地盤沈下の確認、建物の構造強度などを調べます(3年に1回)。
◎ 「建築設備の機能確認」
換気や排煙設備、非常用照明などが正常に機能しているか確認する「建築設備定期検査」(年1回)も欠かせません。
◎ 「火災時の防火設備の確認」
防火扉やシャッターなど、防火設備の動作確認を行う「防火設備定期検査」(年1回)も重要です。
◎ 「エレベーターの点検」
昇降機やエスカレーターなどの点検が年1回以上行われます。
◎ 「消防用設備点検」
火災報知器や消火器、避難器具などの点検も法定点検に含まれます。
「機器点検」:半年に1回(消火器、火災報知器など)
「総合点検」:年1回(実際に設備が作動するか確認するため、住戸内での立ち会いが必要な場合も)
◎ 「水道設備の点検」
貯水槽の水質検査や清掃(年1回)も定期的に行われます。
◎ 「電気設備の点検」
高圧受電設備(600V以上)の点検は月次・年次で必要です(管理組合の責任)
【マンションに必要な消防用設備】

マンションの消防設備は、その規模や構造、用途によって異なりますが、基本的には以下のような設備が設置されています。
●「消火設備」
・消火器:延床面積が150㎡を超える建物では、各階に設置が義務付けられています。
・屋内消火栓:延床面積が700㎡を超える場合などに設置が必要です。
・スプリンクラー:11階以上の高層マンションや一定規模の駐車場に設置が必要です。
・屋外消火栓:大規模な建物には設置が求められます。
●「警報設備」
・自動火災報知器:500㎡を超える建物や、11階以上のマンションには設置が必要です。
・非常警報設備:50人以上収容できるマンションでは設置義務があります。さらに800人以上、または地下3階・地上11階以上の建物では、放送設備やサイレンの併設も求められます。
●「避難設備」
・避難器具:避難はしごや避難ハッチ、滑り台などが、2階以上や地階で30人以上収容する場合に設置されます。
・誘導灯・誘導標識:避難経路や非常口を示すため、必要な場所に設置されます。
●「消防活動に必要な設備」
・連結送水管:消防隊が現場で消火活動を行うために必要な設備で、一定規模以上のマンションに設置が求められます。
【点検や設備を怠るとどうなる?】

「点検くらい後でいいか…」「消防設備なんて使わないし大丈夫だろう」
そんな風に思っていると、いざという時に命を守るはずの設備が作動しなかったり、火災時に機能しなかったりする危険があります。また、法定点検を怠ると、法的な罰則や指導を受けることもあります。さらに、保険が適用されない場合やマンションの資産価値が下がることもあるため、「あとでやろう」では済まされません。
【住民ができることは?】

点検は管理会社が手配することが多いですが、住民としても協力が必要です。たとえば、「総合点検」では住戸内の機器確認があるため、点検のお知らせが来たら、「自分の部屋も対象かな?」と確認し、できるだけ立ち会いましょう。また、消火器の期限や避難経路の確認を日頃から行うだけでも、安心感は大きく変わります。
まとめ
マンションの点検や消防用設備の整備は、一見面倒に思えるかもしれませんが、それらはすべて、あなたとご家族の命を守るために必要な作業です。「何がどこにあるか?」
「どんな点検がいつ行われるか?」少しだけ関心を持つことが、災害に強いマンションづくりの第一歩です。安全で安心できる暮らしのために、ぜひ点検の重要性を理解し、協力していきましょう。
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