「建物の安全を守る!防火対象物点検の重要性と怠った場合に起こりうるリスクとは?

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防火対象物点検は、建物の防火管理状況を確認し、火災から利用者の安全を守るために欠かせない重要な制度です。今回は、防火対象物点検の概要と、その目的や点検内容、対象となる建物の条件、点検を実施する資格者、点検結果の表示制度、そして罰則について解説いたします。

防火対象物点検とは

防火対象物点検は、消防法第8条の2の2に基づき実施される「防火対象物点検報告制度」として、建物の所有者や管理者に義務付けられています。この制度の下、資格を持った防火対象物点検資格者が建物を年に1回点検し、その結果を消防署へ報告することが求められます。
この点検を通じて、建物が防火管理の基準を確実に満たしているかどうかを確認し、火災が発生した際の被害を最小限に抑えることを目的としています。

防火対象物点検が義務付けられた背景

東京の町中

平成13年9月1日、東京・新宿区歌舞伎町で発生したビル火災は、小規模な複合ビルでありながら44名もの尊い命を奪う大きな火災事故となりました。
この犠牲者数は、昭和57年に発生した「ホテルニュージャパン火災」における33名の死者数を上回る大惨事となりました。
この火災が大惨事に至った背景には、いくつかの重大な消防法令違反が存在していたことが明らかになっています。まず、避難経路である階段に物品が置かれていたことで、緊急時の逃げ道が塞がれていたことが確認されました。また、防火管理者が選任されておらず、避難訓練も行われていなかったことが指摘されています。さらに、消防用設備の点検が適切に行われていなかったことも、被害を拡大させる一因となったと考えられています。
こうした法令違反が重なったことにより、今回の火災は想像を超える犠牲者を出すに至りました。消防法令に定められた基本的な防火対策や訓練が適切に実施されていれば、被害を抑えられた可能性もあるでしょう。この痛ましい事件を教訓に、制定されたのが『防火対象物点検報告制度』です。

 東京消防庁引用

 https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/office_adv/tenken/index.htm

消防用設備等点検と防火対象物点検の違いとは

点検する男性
消防用設備等点検と防火対象物点検は、どちらも火災対策として重要な点検ですが、その内容や目的に違いがあります。以下にその主な違いをまとめます。
 
◇消防用設備等点検
・主に消防用設備等のハード面を点検します。
・具体的には、消火設備、警報設備、避難設備などの機器を点検し、これらの設備が正常に作動するかどうかを確認します。
・年2回実施します。(機器点検は6ヶ月に1回、総合点検は1年に1回行います。)
 
◇防火対象物点検
・主に防火管理のソフト面を点検します。
・応急措置、救援救護、避難誘導などの防火管理体制を確認します。
・防火管理者の選任、避難訓練や消火訓練の実施、避難経路の確保、防火戸の管理状況などをチェックします。
・年1回実施します。

点検の目的と内容

作業員男性
防火対象物点検の目的は、建物の防火管理が適切に行われているかを確認し、火災による被害を未然に防ぐことです。
点検内容には、主に以下の項目が含まれています。(一部の点検項目を抜粋)
 
・防火管理者の選任状況
・消火・通報・避難訓練の実施状況
・防炎対象物品の適切な表示
・消防用設備等の設置状況
・防火戸や避難階段の障害物の有無
 
建物が法定基準を満たしているか確認することで、利用者の安全を守ることができます。

防火対象物点検の対象となる建物

建物
防火対象物点検が義務付けられる建物は、以下の条件を満たすものです。
 
1.収容人員が30人以上で、以下の2つの条件に該当する建物:
・特定用途部分が地階または3階以上にある(避難階を除く)
・階段が1つしかない小規模雑居ビルなど
 
2.特定の建物(特定防火対象物)で収容人員が300人以上のもの:
・百貨店、遊技場、映画館、病院、老人福祉施設などのように、多くの人が出入りする施設
 
このような建物は、火災が発生した場合に多くの人命が危険にさらされるため、特に防火管理の強化が求められています。

点検を実施する資格者

防火対象物点検は、防火対象物点検資格者によって行われる必要があります。この資格者は、火災予防に関する専門知識と実務経験を有し、登録講習機関の講習を修了し、考査に合格した者です。

点検結果の表示制度

手帳

一般財団法人日本消防設備安全センター画像引用 https://www.fesc.or.jp/ihanzesei/ordinary/01_3.html

点検の結果、基準を満たしている場合は以下の表示が可能です。
 
1.防火基準点検済証:点検基準に適合している場合に発行され、1年間の表示が可能です。
2.防火優良認定証:3年連続で基準に適合し、特例認定を受けた場合に発行され、3年間の点検・報告義務が免除されます。

罰則規定について

防火対象物点検を怠った場合や虚偽の報告を行った場合には、30万円以下の罰金または拘留の罰則が科される可能性があります。建物所有者や管理者は、この制度を理解し、適切に対応することが求められます。

まとめ

防火対象物点検は、建物の安全を確保するために不可欠な制度です。定期的に適切な防火管理を行うことで、火災リスクを低減し、安心して利用できる環境を提供できます。

花塚防災では、豊富な知識と経験を持つ防火対象物点検資格者が、建物の防火管理をサポートいたします。専門的な観点から的確な点検を行い、施設の防火安全性を高めるお手伝いをいたします。また、点検結果に基づき、必要な改善提案も行い、安全対策の強化をトータルで支援いたします。
防火対象物点検に関するご相談やお見積りは、ぜひ花塚防災までお気軽にお問い合わせください。皆さまの施設の安心・安全を守るため、確かな技術と信頼でサポートいたします。

なお、花塚防災の活動エリアは那須町・那須塩原市・大田原市を中心としておりますが、矢板市・塩谷町・さくら市・高根沢町・那珂川町・那須烏山市も活動エリアとなっておりますので、消防用設備でお困りでしたら花塚防災ま

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