自動火災報知設備、非火災報(誤作動)が発生した場合の対処法、原因は〇〇に注意

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🔶自動火災報知設備とは

自動火災報知設備は、火事を早期に知らせるための装置です。
感知器が熱や煙を感知すると、受信機に信号を送り、警報を鳴らして火災の発生を建物内の人に知らせます。この設備には、受信機、発信機、中継器、表示灯、地区音響装置、感知器が含まれています。

感知器の主な種類と作動原理は

自動火災報知設備感知器の種類は主に8種類あります。
『差動式スポット型感知器』、『差動式分布型感知器』、『定温式スポット型感知器』、『光電式スポット型感知器』、『光電式分離型感知器』、『紫外線式スポット型感知器』、『赤外線式スポット型感知器』、『複合式スポット型感知器』です。今回は、設置例が多い代表的な3種類の感知器の作動原理について説明します。

差動式スポット型感知器(熱感知器)

差動式スポット型感知器(熱感知器)

差動式スポット型感知器は、空気室、ダイヤフラム、リーク孔、接点で構成されています。作動原理としては、火災発生時のような急激な温度上昇が感知器に加わると、内部の空気が膨張します。この膨張した空気がダイヤフラムを押し上げ、接点が閉じて火災信号を受信機へ送信します。
例を挙げると温度の低い部屋でエアコンをつけて急激に部屋を暖める事だけでも作動します。

定温式スポット型感知器(熱感知器)

定温式スポット型感知器は、感知部と金属部(受熱板、バイメタル)で構成されています。作動原理としては火災が発生すると、周囲の温度が上昇します。この上昇した温度が一定の温度(例えば60℃)を超えると、金属部(バイメタル)が反転し、接点が閉じて火災信号を受信機へ送信します。
ちなみに、感知器の温度は60℃以上150℃以下の範囲で設定されており、温度は60℃~80℃まで5℃刻みで80℃を超えるものは10℃刻みで規定されています。

光電式スポット型感知器(煙感知器)

光電式スポット型感知器(煙感知器)

光電式スポット型感知器は、暗箱内に発光素子(通常は近赤外領域のLED)と受光素子(フォトダイオードやフォトトランジスタ)を備えています。
作動原理としては火災が発生し、暗箱内に煙が流入すると、煙に含まれる粒子によって光束が散乱反射を起こします。この散乱光の一部が受光素子に届き、受光量の変化を検出します。変化が一定の値以上になった場合、火災信号を受信機へ送信します。難しい説明をしましたが、簡単に言うと感知器の内部で常に一定の光の量を監視していて煙やホコリや虫などの侵入によってその一定の光の量が変化して作動するって事です。ちなみに、虫やホコリの侵入を防ぐために感知器は目開き1mm以下の網目状となっています。

🔶誤作動の主な原因って何?

感知器
自動火災報知設備の主な誤作動原因6つについて説明します。
 
①経年劣化
感知器の経年劣化は誤作動を引き起こす大きな原因です。差動式スポット型報知器は、温度上昇による熱膨張を感知して作動しますが、空気室には膨張した空気を逃がすためにリーク孔という穴が設けられています。
このリーク孔が長年の使用によりふさがってしまうと、空気の逃げ場がなくなり、本来であれば作動しないタイミングで作動してしまう可能性が高くなります。
経年劣化による誤作動を防ぐためにも、劣化した感知器を計画的に交換していきましょう。
 
②水濡れや結露
何らかの理由で水が感知器の内部に入る、または感知器の内部が結露することが、誤作動の原因になることもあります。
熱を感知して作動する感知器の場合、水濡れや結露によって配線や端子がショートして感知器が作動したのと同じ状態になったり、水分によって接点部分が錆びて誤作動を引き起こしたりします。
煙を感知して作動する感知器の場合でも、感知器内部に溜まった水蒸気が煙の代わりとなって光の乱反射を引き起こし、誤作動を招く可能性がある為注意しましょう。
 
③急激な温度上昇
差動式スポット型の感知器は、短時間に温度が急激に上昇する可能性がある場所には設置しないのが原則です。しかし、エアコンの温風によって感知器が作動してしまうこともあります。
また、エアコンの吹き出し口と感知器の距離が近くなってくると、感知器が誤作動しやすい環境になってしまうこともあるのです。(設置基準はエアコンの吹き出し口から1.5m以上離すこと)
このような場合は、急に温度が高くならない様にエアコンの温度設定に注意したり、感知器の場所を移動させたりすることで、対処をしましょう。
 
④感知部分へ衝撃が加わる
熱を感知して作動する感知器の場合、熱感知部にぶつかったりなどの衝撃が加わることで信号を送る接点が閉じ、感知器が作動の状態になってしまうことがあります。これにより、誤作動が発生する可能性があります。
例えば、引っ越しの際に家具などを搬入・搬出する際にぶつかってしまったり、感知器の下でボール遊びをしていて誤ってボールがぶつかってしまったりすることが考えられます。
このような形で誤作動してしまった場合は、安全の為感知器を交換するようにしましょう。
 
⑤気圧の変化
差動式スポット型感知器は、内部の空気が膨張することで火災を感知しますが、空気の膨張は温度の上昇だけが原因ではありません。
台風のような低気圧が近づくと大気圧が下がり、その際に差動式スポット型感知器の空気室が引っ張られて空気が膨張してしまうことがあります。
その結果、感知器が作動状態となり、誤作動する可能性が生じます。台風の発生に対しては対処が難しいですが、気圧の変化が原因であろう誤作動が何度も起きる場合は、感知器を交換することをお勧めします。
 
⑥異物の侵入
煙を感知して作動する感知器の場合、感知器内部に煙と似たような性質のもの(ガスやくん煙式の殺虫剤など)が入ると、誤作動を起こしやすいです。
また、羽虫やクモなどの虫が感知器内部に侵入した場合も、誤作動の原因となる可能性があります。
くん煙式の殺虫剤の説明書には、使用時に感知器の周りを覆うように指示が記載されています。その指示に従って利用すれば、誤作動を防ぐことができます。
虫の侵入は防ぎにくいものですが、家の中に虫が入らないよう工夫することである程度の対策となるでしょう。

🔶誤作動が発生した場合はどうしたらいいの!?

誤作動が起きてしまった場合の対処法を説明していきます。
 
①本当に火災かどうかを確認(火の元を確認)
実際に、火災が発生している場合も考えられます。まずは、建物の中の火元を確認してください。警報音がなった原因が火事ではないと確認できた場合、誤作動ということになります。
 
②火災ではないことを確認したら受信機で音を止める
火災でないことを確認したら、感知器の作動を受信する受信機で音を止めます。
例①は受信機音響とベル(地区音響)の停止・一時停止の押しボタンで音を止めて復旧を押すと正常な状態へと復旧します。
例②主音響と地区音響のレバーを下に下げることで音を止めて火災復旧レバーを下げると正常な状態へと復旧します。
 
※火災ではないのにベルが鳴る場合は、速やかに管理会社又は消防設備士等に調査を依頼してください。
※復旧後は必ず地区音響・主音響ともに、停止を解除してください。一度停止させると、解除しなければ次に火災を感知した時に音が鳴らなくなってしまいます。
 
受信機

受信機例①

受信機

受信機例②

③火災が復旧しない場合
上記の音の止め方、復旧の仕方で通常は正常な状態へと復旧します。もし、戻らない場合は
受信機の発信機というランプが点灯している可能性があり、その場合は発信機の押しボタンが押されていて復旧しなくなっている為
発信機の押しボタンを戻してから復旧する必要があります。
発信機のランプも点灯していない場合は、感知器自体が完全に不良となってしまっていて交換を要する為早急に交換をしましょう。

発信機

受信機上発信機ランプ例①

受信機上発信機ランプ例②

発信機

発信機本体が押されている状態写真

🔶誤作動が頻繁に発生するとオオカミ少年になる!?

自動火災報知設備の誤作動が頻繁に起きると、警報ベルが鳴っても誰も火災だとは思わず、「またベルがなっている。」と次第に無関心になっていきます。さらには頻繁に音が鳴ってうるさいからといって、ベルを停止状態のままにしてしまうなんて事もあります。

この状態で、本当に火災が起こったときに、初期消火、通報、避難の行動が遅れ、建物内の人たちが命を落とすことにもなりかねません。
こうしたことを防ぐには、誤作動を起こす要因を排除して自動火災報知設備を信頼できる状態にしておく必要があります。また、警報ベル等が鳴ったら、他人任せにせず、みんなで対応するように体制を整備しておくことが重要です。

まとめ

自動火災報知設備は建物内にいる人に、火災の発生を早期に知らせる重要な設備です。受信機は15年~20年、発信機・ベルは20年、感知器は10年が交換時期の目安となっております。計画的な交換を行い、有事の際に100%設備の能力を発揮できるよう維持管理に努めていきましょう!

花塚防災では受信機、発信機・ベル、感知器の新設工事、取替工事、改修工事、その他消防用設備に関わる全ての工事も承っております是非弊社へとお気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
なお花塚防災の活動エリアは那須町・那須塩原市・大田原市を中心としておりますが、
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