「鳴ったけど火事じゃない!?」自動火災報知設備の非火災報を徹底解説|原因6つと対処法3ステップ【2026年最新版】

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「夜中に突然ベルが鳴ったけれど、火事の気配がない」「梅雨に入ってから誤作動が増えた」――

こうした非火災報(ひかさいほう)に悩まされている管理者の方は少なくありません。

非火災報は単なる“迷惑な誤作動”ではなく、放置すると本当の火災時に避難が遅れるリスクを生みます。

本記事では、消防設備のプロである花塚防災が、感知器のしくみ・誤作動の6大原因・正しい対処法・交換時期の目安まで、現場目線でわかりやすく解説します。

 

自動火災報知設備とは?
火災を“いち早く伝える”建物の神経系

自動火災報知設備は、感知器・受信機・発信機・地区音響装置がワンセットで“火災の早期発見と通報”を担う設備です。

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自動火災報知設備(自火報)は、火災を早期に感知して建物内の人へ知らせる設備です。

消防法第17条に基づき、一定規模・一定用途の建物に設置が義務付けられています。

構成する主な機器は次の4つです。

・感知器:天井や壁に設置され、熱・煙・炎を検知する“目と鼻”役。

・受信機:感知器からの信号を受け取り、警報を出す“司令塔”。

・発信機:人が手動で押して通報する“非常ボタン”。

・地区音響装置(ベル):館内に火災を知らせる“スピーカー”。

例えるなら、感知器が“神経の末端”、受信機が“脳”、ベルが“声”の役割を果たし、人体の神経系のように建物全体で火災を伝える仕組みです。

 

非火災報(誤作動)とは?
火災じゃないのにベルが鳴る現象

「火元がないのにベルが鳴る」現象が非火災報。

湯気・ホコリ・経年劣化など、火災と似た刺激で起きます。

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「非火災報」とは、実際には火災が発生していないにもかかわらず、感知器が作動してベルが鳴ってしまう現象を指します。一般社団法人 日本火災報知機工業会の資料でも、「火元がないのに感知器が作動してしまうこと」と定義されています[4]。

原因は、調理中の湯気、暖房による急激な温度上昇、虫やホコリの侵入など、火災時の煙や熱と“似た刺激”が感知器に届くことです。

感知器は人の鼻のように敏感ですが、煙草の煙と火災の煙を完璧に見分けられるわけではない、と理解しておくと分かりやすいです。

 

代表的な感知器3種類の“しくみ”を知ると誤作動原因が見えてくる

感知器は熱式(差動式・定温式)と煙式(光電式)に大別され、それぞれ誤作動しやすい条件が異なります。

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① 差動式スポット型感知器(熱感知器)

空気室・ダイヤフラム・リーク孔・接点で構成されています。火災のような“急激な温度上昇”があると、内部の空気が膨張してダイヤフラムを押し上げ、接点が閉じて受信機に火災信号を送ります。

風船が膨らむのと同じイメージです。だからこそ、エアコンの温風や台風の気圧変化でも誤作動しやすいという弱点があります。

 

② 定温式スポット型感知器(熱感知器)

受熱板とバイメタルで構成され、周囲が一定温度(標準60℃〜150℃の範囲で設定)を超えると金属部が反転して接点が閉じます。

厨房のように常時高温になりやすい場所でも誤作動しないよう、設定温度を選べるのが特徴です。

 

③ 光電式スポット型感知器(煙感知器)

暗箱の中に発光素子(LED)と受光素子(フォトダイオード等)があり、煙の粒子が入り込むと光が乱反射し、その変化量が一定値を超えると火災信号を送ります。

煙だけでなく“光を散乱させる粒子”全般に反応するため、ホコリ・湯気・くん煙式殺虫剤にも反応してしまいます。

虫やホコリの侵入を防ぐため、感知器の入口は目開き1mm以下の網目になっています。

 

非火災報を引き起こす6大原因の“あるある”を一気に解説

経年劣化・水濡れ・温度急変・衝撃・気圧変化・異物侵入の6つが主因。原因別に対策が変わります。

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① 経年劣化

感知器の中でも特に多いのが、差動式スポット型のリーク孔の詰まりです。リーク孔は空気を逃がすための“小さな換気口”ですが、長年のホコリでふさがると、わずかな温度上昇でも作動してしまいます。

交換目安は感知器で約10年、受信機で15〜20年、発信機・ベルで20年です。

 

② 水濡れ・結露

梅雨時や冷暖房の温度差で結露が発生すると、配線がショートしたり、煙感知器の内部に水蒸気がたまって光を乱反射し、火災と勘違いしてしまうことがあります。「梅雨に入ると毎年同じ場所が誤作動する」という声は非常に多く、結露が一番の犯人です。

 

③ 急激な温度上昇(エアコンの温風など)

差動式スポット型は、温度の上がり方が“急”だと反応します。エアコンの吹き出し口の真下に感知器があると、暖房オンしてから作動することがあります。

消防法施行規則では、感知器は空気吹出口から1.5m以上離して設置することと定められています。リフォームやエアコン入れ替え時は要注意です。

 

④ 感知部分への衝撃

引っ越しの家具搬入や、ボール遊び、清掃用ハタキの当てすぎなどで感知器に物理的衝撃が加わると、内部の接点が閉じて誤作動することがあります。一度衝撃が加わった感知器は内部部品にダメージが残るため、安全のため交換を推奨します。

 

⑤ 気圧の変化(台風・低気圧)

差動式スポット型は、台風など急な低気圧の接近で空気室が引っ張られ、空気が膨張して誤作動することがあります。「台風の夜に必ずベルが鳴る」場合は気圧変化が原因の可能性が高く、感知器の交換が有効です。

 

⑥ 異物の侵入(虫・ホコリ・くん煙剤)

光電式(煙)感知器の場合、羽虫・クモ・ホコリ、そしてバルサンなどのくん煙式殺虫剤の煙が入ると、火災と区別がつかず作動します。くん煙剤を使う際は、必ず感知器をビニール袋等で養生してください(殺虫剤の説明書にも記載されています)。

 

非火災報が発生したときの正しい対処法【3ステップ】

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①火元確認 → ②受信機で音停止&発報場所メモ → ③翌日には必ず消防設備業者へ点検依頼。

 

ステップ① 本当に火災かどうかを確認する

まずは慌てず、建物の中で火元・煙・焦げ臭さがないかを必ず確認します。火災が確認できた場合は、すぐに119番通報と初期消火・避難誘導を行ってください。

 

ステップ② 受信機で音を止め、発報場所をメモ

火災ではないと確認できたら、受信機で「主音響」「地区音響」を停止し、復旧ボタン(またはレバー)で正常状態に戻します。停止のままにすると次の本物の火災時に音が鳴らなくなるため、復旧後は必ず停止解除を確認してください。

発報した感知器の階・区域を必ず記録しておきます。これが翌日の点検効率を大きく左右します。

 

ステップ③ 翌日には消防設備業者へ点検依頼

復旧しても、原因を特定して対処しなければ再発します。発信機ランプが点灯している場合は発信機ボタンが押されたままなので戻し、感知器側の不良が疑われる場合は早急に交換しましょう。

「復旧したから大丈夫」と判断せず、必ず点検・再調整を依頼するのが安全管理の鉄則です。

 

「オオカミ少年化」の恐怖|誤作動の放置が命を奪う理由

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 誤作動を放置するとベルが鳴っても誰も逃げない“オオカミ少年”状態になり、本当の火災で命を落としかねません。

イソップ童話の「オオカミ少年」は、嘘の警報を繰り返したせいで本物の危険を信じてもらえず、村が大きな被害を受ける物語です。自動火災報知設備の誤作動を放置するのは、まさにこれと同じ状況をつくり出します。

「またベルが鳴っている」「うるさいから止めておこう」と通報や避難の動きが遅れた瞬間、初期消火のチャンスは失われ、被害は最小限から最大限へと一気に膨らみます。

誤作動の原因を取り除き、設備を“信頼できる状態”に保ち続けることこそ、命と建物を守る最大の備えです。

 

誤作動を再発させないためのチェックリスト【保存版】

検記録・設置位置・交換時期の3点を“見える化”しておくと、誤作動も検査時の指摘もぐっと減ります。

1.感知器の設置から10年以上経過していないか確認する。

2.エアコン吹出口から1.5m以上離れているか測定する。

3.梅雨前・台風前にはホコリ除去を行う。

4.受信機の操作手順を全関係者で共有しておく。

5.くん煙式殺虫剤を使うときは必ず感知器を養生する。

よくある質問(Q&A)

オーナー様から実際にいただく質問を、現場の回答付きでまとめました。

 

1.感知器の交換時期は何年が目安ですか?

感知器は約10年、受信機は15〜20年、発信機・ベルは約20年が交換目安です。これを過ぎると経年劣化による誤作動リスクが急上昇します。

2.誤作動が1回起きただけでも交換が必要ですか?

1回限りなら原因特定(衝撃・湯気など)と再調整で済むケースが多いです。ただし、数か月以内に同じ感知器で2回以上発生する場合は交換を推奨します。

3.梅雨時に毎年誤作動するのですが対策はありますか?

結露が原因の可能性が高いです。防滴型・耐結露仕様の感知器への交換、または天井裏の断熱・換気改善で再発を防げます。点検時にご相談ください。

4.誤作動が多いから感知器を外しておくのはダメ?

ダメです。消防法第17条で設置・維持が義務付けられており、未設置・機能不全のままにすると消防署の指摘や、火災時の損害賠償リスクにつながります。

5.くん煙式殺虫剤(バルサン等)を使うときの注意点は?

光電式(煙)感知器は誤作動します。説明書通りに感知器をビニール袋等で覆い、使用後は必ず養生を外してください。覆い忘れは消防署に通報されるケースもあります。

まとめ

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自動火災報知設備の非火災報は、原因を理解して対処すれば確実に減らせます。感知器のしくみ、6大原因、3ステップの対処法、そして交換時期の目安を押さえておくことが、建物と人の命を守る第一歩です。

「またベルか」と慣れてしまった瞬間が一番危険――この記事の内容を建物管理に関わる全員で共有していただければ幸いです。

 

花塚防災にご相談ください

花塚防災では、自動火災報知設備の新設・取替・改修工事から、感知器の交換・受信機の更新まで、消防用設備全般を一貫して承っております。

対応エリアは、那須町・那須塩原市・大田原市を中心に、矢板市・塩谷町・さくら市・高根沢町・那珂川町・那須烏山市まで幅広く対応可能です。

消防設備や防火設備でお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。

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参考文献

[1] 消防法(昭和二十三年法律第百八十六号) — e-Gov法令検索

[2] 消防法施行令 — e-Gov法令検索

[3] 消防法施行規則 — e-Gov法令検索

[4] 自動火災報知設備の非火災報等への対応について — 一般社団法人 日本火災報知機工業会

[5] 自動火災報知設備の非火災報対策(資料) — 一般財団法人 日本消防設備安全センター

[6] 感知器設置上のご注意(差動式・定温式・煙感知器) — ホーチキ株式

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